営業のスキルは、どうやれば測ることができるのだろうか。
測ることができなければ、現位置も分からない。
原位置が分からなければ、レベルアップしても分からない。
一般的に営業は数字、結果が全てだと言われてきて、そう思ってきた。
しかしながら、数字は結果であり、受注するまではゼロである。
受注が100とすると、最初は0から少しずつ数字が上がってきているはずである
あるいは、途中で停滞したり、順調に上がってきたのに、突然に0になったりする。
一方、技術のスキルは経験年数で測ることが多い。
実際には、経験年数だけでなく、頭やセンスの良さに依ってスキルレベルは個人差が生じる。
技術のスキルアップは、PGを経験して、SEとなり、PMとなる。
PGはSEの仕様書に従い、プログラムを作成する。頭やセンスの良いPGは、仕様書に書かれていない裏(本質・意図)を理解してプログラムを作成するので、ミスが少なく、効率が良い。PGの能力は、生産性と不具合率で測ることができる。
SEもお客様のやりたいことを理解して設計をする。これも同様に頭やセンスの良いSEは、お客様が言われたことをそのまま設計するのではなく、本質を理解し、提案することで、シンプルで変更可能なシステムを設計できる。SEの能力を測るのはむつかしいが、お客様の満足度で、ある程度推定できる。
PMは、プロジェクト管理ツールなどを使って、計画と実績と比べて、遅延等の問題が生じた際に、計画を変更する。スケジュールを遵守したか、予算内で完成したかで測る。
営業も技術と同様にレベル分けをしてみると、それぞれの役割で測定できるのではないだろうか。
技術のPGに相当するのが、営業担当者(セールスマン)としてみる。省略してSMとすると違う意味になるので、ST(セールス担当者)と略称する。
STが自分一人では、本当にやるべきことは理解していないので、教えなければならない。
SEに相当するのが中間管理職といわれる職位で、営業マネージャ。これを省略するとSM、また違う方向になるのでSK(セールス管理職)と略称する。
但し、SKの多くはプレイングマネージャーとなっており、自分の仕事に追いまくれている。優秀なSKは、自分の営業活動の計画と行動は完璧にできるが、その通りに実施することが当たり前と思っているので、STが計画通りに実施していないことを予想していない場合がある。
最後にPMに相当するのは、営業責任者です。営業責任者を省略すると、またSMとなってしまうので、SP(営業責任者)と略称する。
SPの責任は重要です。会社の方向性、戦略を決める仕事で、現場の責任者です。
例えば、戦争を例にしてみますと、203高地攻略では、悲惨な歴史があります。ロシア軍の圧倒的な戦闘兵器に対して、日本の指揮官が、無意味な突撃指令を繰り返し、多くの日本兵の犠牲を出しました。これは、戦略を考える職位レベルの責任だと思います。
会社でも、SPの技量で栄枯盛衰は決まります。
SPが戦略を立て、SKが具体的計画にして、STが計画を実行するということが、会社では必要となります。
自分がSP兼SKの立場ですが、これをSK、STに自分の経験と知識をいかに継承するかを考えていました。1つの解決方法は、Zohoに自分が養ってきたノウハウを入れ込むことです。
Zohoを利用することで、自然とチェックポイントを覚えて、自己管理できる力をつけることができる様にしたいと考えています。
今回のミニセミナーで「幸運の女神には、前髪しかない」というレオナルド・ダヴィンチ
の言葉を引用しました。営業には、経験と知識は必要ですが、一番大切なのは、時間です。
予算申請時期、稟議申請時期、見積照会等のお客様の仕事の進み方を理解して対応することが重要です。情報の入手時期が遅いと、価値の無い情報となります。必要とされる時期に情報入手し、お客様の計画に合わせた対応が必要です。Zohoのステージを目標マイルストーンという日程計画に展開し、その計画通りに進んでいるかを実績マイルストーンで確認します。
案件日程の計画と実績の差異を管理することが、マネージャーの一番重要な仕事です。
また、「お客様との繋がり(人脈)は宝。宝をお金に変えるのは計画的行動」ということもお話しました。これを実現するために、Zohoの機能で、お客様との最終面談日からの日数を表示する機能と重要度に従い、次回の訪問する日を教える機能をつけました。お客様との関係についても時間が大事です。一定以上の期間、会わないことは、繋がりを無くすことと機会損失となることが良くあります。
社内でZohoシステムを導入したことで、STは自己管理の意識が高まり、SKは計画作成と遂行管理の意識が高まり、SPは戦力的な手段を積極的に行う体質に変わってきています。
つまり、営業に職位毎の役割を与えて、計画化し実行をすることを習慣化すれば、営業スキルは自然と向上し、その経過、結果が測れる(見える化)様になります。
昔の精神論ではなく、データによる、今時のマネージメントが実現できます。
Zohoは、クラウドであり、社内でカスタマイズできるので、使い勝手が悪ければ、いつでも修正ができて、それが直ぐに反映できるという非常に優れた道具(営業の武器)です。戦争と同じ様に、より良い武器を準備しなければ、商売相手に勝つことはできません。時間を効率的に利用でき、必要な情報を入手できるツールを準備することで、競合と同じ土俵か有利な土俵に立つことができます。会社は組織で戦い、結果を出すことが目的なので、全員で最新の情報を共有することは、個々の力と知恵を結集することとなります。
まとめると営業のスキルは個人の能力や結果ではなく、会社組織としての営業体制を作り上げて正しく運営していく力だと思います。正しい運営を習慣化して、効率化するには、ZohoなどのCRMを使うのは有効な手段だと思います。しかしながら、運用するのは、人ですので、意図通りの使い方をされているかは随時、管理者が確認していなければなりません。
まだ、導入して試行錯誤中ではありますが、Zohoの機能をより一層理解して、本当の武器として使える様に、運用面と機能面をレベルアップしていきたいと思っています。