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先日、InformationWeekのSMBのコーナーにZOHOのCEO、Sridhar Vembuのインタビューが紹介されていました。
この記事では、ZOHOの経験を踏まえ、中小企業が大企業と競争していくための4つのポイントが紹介されています。
ZOHOでは、クラウド型のオフィス(文書、表計算シート、プレゼンテーション)やメール、顧客管理、見積・請求書作成、プロジェクト管理など幅広いサービスを提供していますが、オフィスの分野では、GoogleやMicrosoftという、それぞれ数万人という規模の企業と競合しています(記事中では、Googleの従業員は30,000人、Microsoftは90,000人にも達すると述べられています)。
これに対し、ZOHOの従業員は1,500人程度です。規模だけで見比べるなら勝ち目がないように見えます
でも、そうとは限らないところが面白いところですね
それでは、ZOHOはなぜこうした企業と同じ市場でビジネスを進められているのでしょうか。上記の記事で紹介されているポイントをご紹介しましょう。


1. 会社の文化を築く
まず、1つ目は、会社の文化を築くことです。Sridharは、文化を浸透させていくという点では中小企業の方に強みがあると述べています。ZOHOでは、人を重視した文化を築いており、1人1人の社員が高いモチベーションを持って創造性を発揮しながら働けるように努めています。結果として、離職率は年間約3%で、これはインド、しかも成長著しいITの分野では低い数字です。
特にキーワードとなるのは、
- Freedom(自由)
- Flexibility(柔軟性)
- Creativity(創造性)
- Fun(楽しむ)
- Autonomy(自律)
- Responsibility (責任)
といった言葉です。CEOのSridharは、社内のフォーラムやスピーチでも繰り返し文化について述べており、普段の会話でも繰り返しその重要性について触れています。現場の各チームのリーダーに話を聞くと、Sridharの言っていることと同じことを述べており、文化が浸透していることを感じます。
2. 長期的に考え、すぐに動く
2点目は、長期的に考え、すぐに動くことです。特に、すぐに動くというスピード感を重要視しています。
例えば、数あるZohoサービスのうち、最初にリリースしたのは、Zoho ライターという文書作成のサービスでした。その後、表計算シートやプレゼンテーションのサービスもリリースし、当初はオンラインオフィスのベンダーとして知られるようになりました。しかし、現在では、むしろ、顧客管理・営業支援や見積・請求書作成、プロジェクト管理などの生産性向上サービスの方が知られるようになってきています。
これは、GoogleやMicrosoftによる市場参入を受けて、すばやく対応した結果です。オンラインオフィスは依然として重要なサービスの1つですが、CRMや会計、共同作業に役立つサービスにも幅を広げ、それらをオンラインオフィスとも統合しました。現在、これだけ幅広いサービスを1社で提供している会社は多くありません。また、ターゲットについては、中小企業にフォーカスを絞りました。このようにして、サービスの幅や広さ、中小企業というターゲットによって差別化をすばやく図りました。
すばやい対応を可能にしているのは、各製品開発チームに大きな権限があることです。製品の方向性については、投資家や取締役会議で決めるのではなく、製品開発チーム自身が判断を下していって進めています。CEOのSridharと言えども強権的に方向性を決めて進めることはできません。
また、投資や借り入れを一切受けていないため、自社の方向性について投資家の意向などに左右されず、長期的に考えることができています。また、柔軟性を保つことができ、小回りがききます。こうして、スピード感をもって行動できることにより、市場の機会を逃さず素早く行動できているのです。
3. やっつけられないならパートナーになろう
3つ目の点は、競合への対応戦略に関連します。Googleとはいくつかの領域で競合していますが、同時に、重要なパートナーでもあります。例えば、Google Appsマーケットプレイスでは、Zohoは多数のサービスを提供していますし、Zoho CRMは最もよくインストールされているアプリケーションの1つです。また、Microsoft OfficeやSharePoint用との連携機能も提供しています。
今ではGoogle Apps マーケットプレイスからの流入は非常に大きくなってきています。競合であるかどうかに関わらず、ユーザーにとって便利な機能を提供していくことによって、結果として競合や自分達にも利益があると考えています。
4. ダイヤモンドの原石を採用する
4つ目の点は採用に関連します。企業文化を保つには、採用が非常に重要です。技術系の企業、特に中小企業では大事な
点ですが、優秀な人材を採用するのは簡単にはいきません。通常、有名な企業に人は集まります。
点ですが、優秀な人材を採用するのは簡単にはいきません。通常、有名な企業に人は集まります。
それでは、優秀な人材を集めるにはどうしたらよいでしょうか。そこで、ZOHOの場合はユニークなアプローチをとっています。大学から新卒を採用、時には高校からも採用しています。これらの人材は、他の企業では採用されなかったような人材も多く含んでいます(記事中では、近日映画の公開も予定されている、マネーボールのアプローチと似ていると紹介されています。マネーボールとZOHOの共通点についてはこちら→マネーボールとZOHOの採用の共通点)。
採用した人材を自社でトレーニングしています。特に特徴的な取り組みとしてはゾーホー・ユニバーシティーという社内大学があげられます。この大学には、大学に行けないような経済的に厳しい家庭の子供でも入学することができます。有名大学を出ていなくても、若くても、高い素質やモチベーションがあると判断されれば、教育や採用の機会を得られるような仕組みになっています。
採用に関しての詳細はこちらの記事もご参照ください。
以上のような企業文化や戦略により、大企業に負けずにビジネスを進められているのです

ZOHOは、これからもユニークな企業文化を大切にして発展を続けていきます!今後の展開もお楽しみに!
なお、ZOHOについてこんなことが知りたい!聞いてみたい!ということがありましたらお気軽にお知らせください。
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