Dropboxの成功に学ぶ:製品ビジネス≒映画ビジネス



今回は、ZOHO CorporationのCEOである、Sridhar Vembu(シュリダー・ベンブ)がDropboxの話をベースに製品ビジネスについて語った内容をご紹介します。













フォーブスで、Dropboxの成功についての記事を読みました。Dropboxの社員数は70人ですが、2011年の売上は2億4千万ドルに達する見込みです。フォーブスでも述べられていますが、1人当たりの売上高はGoogleの3倍近いです(もちろん、Googleの数字も決して悪いものではありません)。







まず、Dropboxの成功をお祝いしたいと思いますが、この数字は驚くべきものです。これを見て、私たちZOHOのような普通の会社では、「自分達がやっていることは何が間違っているんだろう?」と考えざるを得ません。







ZOHO Corporationの15年の歴史の中で、70以上の製品をリリースしてきました(※)。十分な収益性があるかどうかという点では、大体30くらいの製品が成功していると言って良いでしょう。ただし、30の製品の中でも、10倍の差がつくことがあります。







ここに、2つの製品があり、開発チームの状況は似ており、両方の開発に要した労力は同じようなものだとします。両方とも利益を生む場合でも、一方の製品がもう一方の製品の10倍の売上高を生み出すことがあります。







もちろん、10倍の売上高を持つ製品の方がより多くの利益をもたらしていますが、大事な点は、利益を上げているかどうかという観点からみれば、両方の製品とも成功していると言えることです。







これまでに、同じ労力で100倍もの差がつくこともありました。しかし、私たちは、ある年において一方が10万ドル、もう一方が1千万ドルという違いがあっただけでは100倍の差があるとは考えません。売上が10万ドルだった製品が成長を続けることもありますし、逆に、収益力が無くなり製品の販売を中止するかもしれないからです。







これは、Dropboxの話にも当てはまります。Dropboxでは、他の製品にかかる労力よりも少ない労力で、100倍もの売上を達成しています。これらの先駆けとなったのがGoogleの検索です。最高10億ドルもの売上を達成していますが、これにかかった労力はせいぜい開発チーム1つ分くらいのものです。会社に多様性を取り入れるため、社員数は後から増えていきましたが、元々の検索チームは小さなものでした。このGoogle検索のような例は今までに1つしかないと思いますので、「普通」の成功起業はそれほど恥じる必要はないでしょう。







Y Combinatorの例は、このことをよく表しています。Y Combinatorでは、これまでに300以上の会社に投資してきました。投資先のチームは、環境、設立者、初期に受ける投資、費やす労力などの面では皆似たりよったりです。







ここで、Y Combinatorの投資先の会社を見てみると、Dropboxのように100倍の費用対効果を生み出したのは1社くらいだと思います。Zohoの経験から考えると、Y Combinatorには、10倍の費用対効果の会社が10社、1倍の費用対効果(なんとか利益が出ている状態)の会社が1社といったところではないでしょうか。







製品ビジネスの世界は映画ビジネスの世界と似ているのではないかと思います。成功の度合いを事前に測ることはできません。結局のところ、作り手としては、より良いものを作り続けていくことが一番良い賭けになるのです。







※ZOHO Corporationは、クラウドサービス「Zoho」を提供する会社です。Zoho以外にも、IT運用管理やネットワーク監視の分野の製品も開発・販売しています。

なお、このブログは、英語版の Zoho Blogs を翻訳・加筆・修正したものです。 
元の記事:  The Product Business is Like the Movie Business

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