「突然の不運」を「新規事業のチャンス」と見る!ZOHOのCEOが創りだした未来とは…

 










今回のブログでは、ZOHOのCEO、Sridhar Vembu(シュリダー・ベンブ)が、 クラウド型顧客管理・営業支援サービス
「Zoho CRM」を開発するきっかけについて書いた記事をお届けします。











これまで、この話について公開の場で語ったことはありませんが、

シリコンバレーでの競争についてHank Williams氏が書いた内容

をHacker News経由で読んでこの話を書くことにしました。

         

 「忘れもしない木曜日」― 注力してきたプロジェクトのコードを破棄することになった日
     



まず、経緯について少し。2003年、当社の事業はネットワーク管理のソフトウェアのみでした。当時の主製品は

Web NMS(※ネットワーク管理システムの開発プラットフォーム)

でした。この製品は現在に至るまで収益を上げ続けていますが、当時はその製品しかありませんでした。Zohoはまだ生まれていませんでしたし、名前すら思いついていなかったのです。







Web NMSの顧客の中には、主要な機器ベンダーが数多くいました。その中に、バックアップ/リカバリーの製品で数十億ドルもの売上をあげており後にSunに買収されたStorageTek社も含まれていました。







StorageTek社は、数カ月にわたってWeb NMSを評価した後、彼らのストレージ機器向けに遠隔監視の機能を開発するためにWeb NMSを採用することを決定しました。同時に、Web NMSをStorageTek社の製品に対応させ、特別なレポートを作成するために、Web NMSをカスタマイズするためのチームを編成することを求めました。






このプロジェクトは2003年に始まり、うまく進んでいました。10人のエンジニアがこのプロジェクトに携わっており、いくつかの顧客の元で試用する








段階まで進んでいました。







ところが、ちょうどその頃、StorageTek社の経営陣が変わりました。このプロジェクトを担当していた副社長が別の人に代わりました。新しい副社長は、まずWeb NMSがインド企業の製品であると述べ、それだけの理由で購買部門に対して当社との契約をすぐに終了させて別の会社にとの契約に替えるように指示したのです。







購買部門の担当者は、私達に契約終了の理由を教えてくれました。彼はリソースの無駄遣いだと感じていましたが、彼の意見は却下されました。実際のところ、当社に瑕疵があったわけではないので、成果物を利用する予定がないにも関わらず、StorageTek社はそれまでのすべての成果物に対する支払いを行いました。







私達がこの契約の終了について突然知らされたのは2003年8月のことでした。今でも覚えていますが、それは木曜日のことでした。すぐにプロジェクトを終了するように言われ、コードを破棄しました。






         「金曜日は休もう。そして、月曜日には何か新しくて面白い事を始めよう。」―ZOHOのCEOが下した決断
      



プロジェクトに精力を注いでいたチームのメンバーはショックを受けていました。そこで、私はチームのメンバーを集め、金曜日は休んで月曜日にリフレッシュして戻って来るように伝えました。また、月曜日には、何か新しくて面白いことを始めることを約束しました。







その年、私は2つのことを考えていました。1つ目は、StorageTek社のような少数の大企業に依存している状態からどのように抜け出して多様化するかということでした。大企業向けの営業は時間がかり、意思決定が政治的に行われることもしばしばです(まさに私達が経験したことです)。







2つ目に、その頃成長し始めていたSaaS(Software-as-a-service)の市場について考えていました。当社はセールスフォースの顧客でした。セールスフォースの製品提供のモデルは好きでしたが、製品自体は高すぎると感じていました。セールスフォースを分析したところ、営業とマーケティングに過剰に投資するというビジネスモデルのせいで価格が高くなっていると感じました。







そこで私は、ソフトウェア開発者としてはもっと良い製品を作れるのではないかと考え、起業家としてはビジネスモデルのぜい肉をそぎ落としてもっと手頃な価格で製品を提供できるのではないかと考えました。こうした発想により、営業のサイクルが短くて済み、政治的な意思決定も避けられる中小企業にフォーカスするというメリットを得ることができました。ただ、こうしたことを考えていた時はまだ思いつきにすぎず、具体的な行動の計画もありませんでした。







StorageTek社が当社との契約を終了させた時、この考えが結実しました。月曜日の朝、ミーティングを行い、チームのメンバーに「これから君たちはオンデマンドのCRMチームだ」と伝えました。エンジニアたちは信じていませんでした。リーダーの一人が、「シュリダー、私達は、SaaSやCRMについて何も知りません」と述べましたが、私はこう伝えました。「もうすぐ知ることになりますよ!」







今日では、Zoho CRMはZohoサービスの中で最も大きな成長を遂げています。十分な収益を生んでおり、セールスフォースに対しても健闘しています。また、Zoho CRMを皮切りとして、さまざまなビジネス向けのクラウドサービスを提供することができるようになりました。当社はStorageTek社に感謝しなければならないでしょうね。







StorageTek社の話に戻ると、当社の代わりに別の会社と数百ドルの契約を結びましたが、結局プロジェクトは完了しませんでした。皮肉なことに、契約終了から数年後、当社に対してもう一度プロジェクトを進めてくれないかと依頼してきました。言うまでもありませんが、丁重にお断りさせて頂きました。







なお、このブログは、英語版の  



Zoho Blogs  


を翻訳・加筆・修正したものです。  


元の記事:   

How a Cancelled Project at StorageTek Led to Zoho CRM






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