いざという時が来た

今回の記事では、Google Appsでの最近の動向をふまえて、ZOHO CEOのシュリダー・ベンブが書いたブログ記事をご紹介します。



2008年に、「Googleと競争している(できている)理由」という記事を書きました。記事を書いた当時、「オンラインオフィスの市場でどうやってGoogleと競争して生き残っていくのですか?」という質問を何度も受けていました。






私の主張の基本的なポイントは、ビジネス系のソフトウェアではセールスとサポートに求められるものが多く、コンシューマー系のインターネットのビジネスのような生産性や収益性を得ることは難しいということです。ビジネス系のソフトウェアの市場において、Googleが検索から得ている収益やFacebookがソーシャルネットワークから得ている収益と同等の収益を生み出すのは難しいのです。ついでに言えば、すでに最盛期を過ぎたYahooやそうなりつつあるeBayの収益と、依然として盛り上がっているSalesforceの収益をと比べてみても分かるでしょう。以前の記事の最後に、このような結論を述べました(2008年に書いたものであることにご留意ください)。

ビジネス系のソフトウェアの市場では、様々な圧力や要因がありますが、いざという時になれば、Goolgeは、OracleやAdobe、Salesforceに比べて多少の利益を絞り出す方法を見つけ出すより、YouTubeへの膨大なトラフィックをマネタイズする、あるいは、オンラインのオークションで競争する方法を見つけ出すでしょう。このことから、GoogleがなぜCRMやプロジェクト管理、請求管理、人事管理などのツールには手を出さないかが分かります。これらに取り組んでも、すでに得ている利益と同じレベルの利益を出す可能性がないからなのです。




ところで、今日、ウォールストリートジャーナルに、Clint Boulton氏の「Google Organizational Changes Cloud the Future of Apps」(Googleの組織変更により雲行きが怪しくなるAppsの未来)という記事が載っていました。純粋に戦略的な見地から考えると、エンタープライズのビジネスではセールスとサポートにリソースがかかり、Googleのような収益を生み出すことはできません。Microsoftは、営業利益の90%を独占的な価格形成力から生みだしていますが、クラウドやモバイル端末の普及により(これについてはある程度Googleの役割に感謝すべきですが)、その価格形成力を失いつつあります。







少なくとも私にとっては明らかに見えるのですが、Googleがこの市場に参入していたのは、Microsoftが検索の市場に際限なく資金をつぎ込まないようにするためです。Microsoftからの脅威が後退する一方、Facebookが潜在的に大きな脅威としてあらわれてきたことから、Googleが、コアビジネスと比べて根本的に劣っている分野への関心を失うのは自然な成り行きだと考えていました。Boulton氏が報告しているように、Google Appsの事業を担当していたシニア・エグゼクティブの方は未来を占ってみたのでしょう。Google Appsの部門では組織変更が行われており、たくさんのエグゼクティブが部門を去っています。





訳注:以下の記事では、様々な事実から、Googleが検索とソーシャルネットワークにフォーカスするために、コアビジネスではないオンラインの生産性向上ツールへのリソースを減らすことが示されているのではと述べられています。
Signs are emerging that Google is de-emphasizing its efforts in online productivity tools that compete with Microsoft, which was never the core of its business to being with, to focus even more on search and social networking, and its increasing competition with Facebook.















Google Apps has had some churn to its core leadership as the company evolves under CEO Larry Page, including the loss of Dave Girouard as vice president of Apps and president of Google’s Enterprise business. Girouard, who joined Google in 2004, oversaw the development and launch of Apps for businesses. He left April 6 and no successor has been named.







A source familiar with Google Apps told CIO Journal: “I was personally shocked to see Dave G leave. That was his baby, and he was so invested in it.”


もちろん、Zohoでは、長期間にわたる事業継続を目指しつつ、研究開発に投資し続けます。以前の記事では、広告をベースにしたコンシューマー向けのインターネットのビジネスは、ビジネス向けのアプリケーションとはうまく適合しないと結論付けました。広告をベースにしたビジネスでは、ユーザーが「商品」になり、パッケージ化されて広告主に販売されます。ビジネス系のソフトウェアのように、提供するものへの対価を支払ってもらおうと思うなら、訪問者やユーザーは「顧客」になりますので、考え方が異なってきます。







このため、当社では、広告収益をベースにしたビジネスは行っていません。ユーザーの皆様に対して、無料版であろうと、広告を決して表示しないことをコミットしてきました。また、ユーザーの皆様が販売ターゲットにされることにつながるような第三者へのデータ販売も行いません。このビジネスをやり始めた頃から、広告とビジネス向けのアプリケーションは合わないと考えています。







当社は引き続き、Zoho メールやZohoのオフィススイートをはじめとするZohoサービスを、クラウド上で広告なしで提供していきます。Googleの素晴らしいエンジニアリングに対しては尊敬の念を持っており、Google Appsのマーケットプレイスには引き続き活発に参加していきます。しかし、これから先ビジネスがうまくいくかどうかは、エンジニアリングの観点だけの問題ではありません。この意味では、Googleの上位の誰かがAppsのビジネスに疑問を投げかけ、結論を出す(最初から分かっていたことですが)ことにはまったく驚くべきことではありませんでした。




ZohoはGoogle Appsと連携していますので、Goolge Appsからの移行も難しくありません。Google Appsからの移行を希望されるユーザーの方がいらっしゃましたら、歓迎します。







さて、同じ部屋にいる別の巨象の様子はどうでしょうか?Microsoft Office365は手ごわいプレイヤーになるでしょうが、今までのところ、クラウドとモバイルにおける動きは、控えめに言っても脅威を感じるとまでは言えません。当社のメールとオフィスのサービスは、当初からクラウド向けに開発したもので、タブレットやスマートフォンにも対応しています。研究開発への投資をさらに大きくし続け、Microsoftとは異なり、iPad、iPhone、Androidをはじめとするすべてのデバイスに対応していく予定です。もちろん、急速に成長を続けるCRMなどのビジネス系のサービスと、メールやオフィスサービスとの連携も進めていきます。



なお、このブログは、Zoho Blogsの記事を翻訳・加筆・修正したものです。
元の記事:Push Comes to Shove
 

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