低価格で導入リスクを縮小。 容易なカスタマイズで現場のニーズに対応。

CRM は多くの導入メリットが得られる反面、失敗例が多いのも事実である。
データ入力が営業担当者の負荷になる、カスタマイズに時間がかかり現場の要望が反映されない、多機能な反面ITリテラシーの低い社員は使いこなせない、費用対効果を見いだせない……。国産PDFソフトのトップシェアを誇る株式会 社スカイコム営業推進部でも、過去にCRM導入に挑戦したが現場に定着せず、本格導入を見送った経験がある。しかし案件の増加と共にデータ管理の必要性を感じ、カスタマイズの容易さとコストパフォーマンスを重視してZoho CRM を採用。導入当初は必要最低限の入力項目に絞ることで現場の営業担当 者の負荷を軽減しつつ導入に成功した。マネージャーや経営層のリクエストにも即応し、売上予測や情報共有の精度を上げ、会議時間も短縮させた。

国産PDFソフト「SkyPDF」を開発。関連するセキュリティ製品もラインアップ

■スカイコムのご紹介をお願いします

川村氏:1997年6月に創業したソフトウェアメーカーです。現在はTKCが主たる株主となっていますが、設立当初は沖電気工業の社内ベンチャーでした。
代表的な製品は「SkyPDF」で、国産PDFソフトとしてはトップシェア。とりわけ大手顧客に恵まれ、日本を代表するITベンダーとパートナー契約を結んで協業しています。官公庁や地方公共団体にもお客様が多く、この市場では海外メーカー製品よりもシェアが高いのではないかと思います。
製品の特長としては、国産ならではの優れた日本語処理力と安全性が挙げられます。PDFはサイバー攻撃に利用されやすいのですが、「SkyPDF」はNISC(内閣官房情報セキュリティセンター)様にもご評価いただきました。

新栄氏:PDF技術を核に、関連製品も提供しています。例えば、「SkyAgent SecurePrint」は、PDF技術にセキュアプリント印刷技術を融合させたソリューションで、不要な印刷を抑制し、印刷文書 からの情報漏えいを抑止します。
「SKYCOM Web Viewer 2012」はブラウザー上でPDF閲覧・編集・加工が可能な製品です。PCや モバイル端末にPDF文書をダウンロードする必要がなく、安全に作業できます。

顧客数の増加でExcel作業に限界
使いやすいと評判のZoho CRMを採用

■CRMを検討した背景をお聞かせください

川村氏:案件数の増加です。従来、顧客管理も案件管理もExcelで行っていました。Excelは、データをさまざまな形に加工できるのですが、手間がかかります。取り扱う案件も半期に 1,000 件を超えるようになり、データ入力する側も加工する側も限界になってしまいました。必要とする情報をタイムリーに得ることも困難でした。そこで、日々のデータをCRMに入力・蓄積し、きちんと管理し直そうと検討を開始しました。

■CRMの採用に当たって考慮したことはありましたか?

川村氏:2007年頃にCRMを導入しようと試みて、見送った経験があります。大きな理由に、現場の営業担当者がデータ入力を継続できなかったことがあります。データが入力されれば、マネージャーや経営層には大きなメリットがありますが、入力する現場に拒否されてはどうしようもありません。

新栄氏:現場が入力を嫌がった理由は2つ考えられます。1つ目は入力項目が多すぎたこと。2つ目はデータ入力をすることで現場のメリットが感じられなかったことです。
1つ目はアプリケーションの仕様にかかわります。入力項目を減らすにもカスタマイズが容易でなければできません。カスタマイズの度に開発ベンダーに頼っていては時間もコストもかかります。
2つ目はCRMを導入して営業担当者の負荷が増加したことにあります。従来の日報や週報に加えて、CRMへのデータ入力が求められました。必要性は理解できても、これを喜ぶ社員はいません。
このような問題が再発しないよう、採用するCRMを吟味しました。

■導入の経緯をお聞かせください

川村氏:弊社は宮崎県に開発部門があり、併設するサポートセンターで2013年6月よりZoho CRMを利用していました。用途はお客様からのお問い合わせ管理で、導入のきっかけはWeb検索でたまたま見つけたこと。その評判を聞くと、大変使いやすくIT専門でなくても簡単にカスタマイズができるといいます。これなら東京の営業本部でも導入できるのではと思いました。同年10月に営業本部でも導入の検討を開始し、試用版での検証を経て本格的な運用を開始したのが2014年4月のことです。

早坂氏:データ移行時には、Excelファイルに記録された既存の顧客データを整理し、インポート用のCSVファイルを作成しました。インポートは一括で実行できるので作業は簡単でした。

営業担当、マネージャー、経営層
それぞれにメリットを提供

■営業現場ではどのようなメリットが得られましたか?

新栄氏:最大のメリットは会社に戻ってデータ入力する手間がなくなったことです。Excelで管理していた時は、営業活動の後、データ入力のために帰社する必要がありました。一方、Zoho CRMなら、スマートフォンを活用して出先から入力できます。また、Zoho CRMに情報を入力すれば自動的に活動報告ができるようにレポート機能を活用して、報連相の手間を大幅に効率化しました。

■ マネージャーと経営層のメリットはいかがですか?

川村氏:マネージャー層は部下である営業担当者の動きをリアルタイムに把握できるようになりました。新たな商談を追加したり、商談が進んでランクが上がったりすると、その更新情報がZoho CRMから通知されます。反対に、放っておかれたままの案件が丸見えになる訳ですから、早急に気付いてアドバイスすることで営業担当者のモチベーションキープにも使えます。また、売上の確度に応じて商談のランクを細分化してゆくことで、将来の売上予測もかなり正確に算出できるようになりました。

新栄氏:会議時間も短くなりました。それまでの会議は情報共有に時間かかり、課題の抽出やその解決策考案にかける時間が短くなりがちでした。しかし、Zoho CRMを使えば会議前に情報が共有されます。これをもとに、課題への対処方法を議論する会議に変わりつつあり、これはとても大きな効果です。
異動や担当替えも楽になりました。それまでは担当が替われば分からなくなっていた情報も、Zoho CRMで引き継げるようになったからです。

■サポートセンターのZoho CRMを営業本部でどのように活用されていますか?

早坂氏:営業本部から、保守更新のタイミングでお客様にメール連絡を差し上げるのですが、その時のデータ元としてサポートセンターのCRM情報を活用しています。それまではExcelのリストから抽出し、毎月100件近いメールを手作業で送信していました。これには膨大な時間がかかり、手作業である以上は記入間違いのリスクもつきまといます。Zoho CRMを活用してからはメールテンプレートで必要情報も自動挿入でき、業務が大幅に効率化されました。早めに連絡を差し上げることでお客様満足度の向上にもつながっています。

導入成功のポイントは現場への定着
容易なカスタマイズと低コストで実現

■CRM導入成功のポイントを教えてください

新栄氏:入力現場となる営業担当者の負荷をなくしたことです。過去にCRM運用を見送った原因に、営業担当者がデータを入力してくれないことがありました 。今回はこれに配慮し、データ入力の負荷軽減に務めました。入力項目も、導入当初は極力減らしました。慣れるに従って入力項目を増やし、トレーニングしつつ使いこなせるようにしていきました。

■現場でカスタマイズしやすいのがその成功要因だったのでしょうか?

新栄氏:その通りです。システム部門にまかせることなく営業本部でカスタマイズしました。現場からリクエストを受けて、わずか30秒ほどでカスタ マイズできます。マネージャーや経営層から変更の依頼を受けても、ほとんどその場で画面を変更しています。現場としては、依頼した変更がその場で叶ってしまうため、その後は使わざるを得ません。カスタマイズの容易さが現場の利用に対するモチベーションアップにも寄与しています。

川村氏:導入コストを低く抑えることができたのも成功の要因です。Zoho CRMは他社製品と比べるとかなり安い。もし導入に失敗しても初期投資が小さいのでやめる判断もしやすく、大きな損失になりません。リスクの縮小によって、導入に踏み出す決断が早くできました。

マーケティング分野での活用に期待
他部門との連携も検討

■今後の展開をお聞かせください

新栄氏:今後はマーケティングでの活用も視野に入れています。展示会で収集した名刺データにアプローチをかけ、見込み客に転換する。業種・業態、あるいは規模でデータ分類し、売れ筋の商品をマッピングして、セールスをかける。このようなことがZoho CRMで出来ると考えています。

早坂氏:現在はZoho CRMを部門単独で使っている状況です。サポートセンターのデータを利用していますが、ほんの一部に過ぎません。今後は販売管理システムや経理システムとも連携できるのではないかと期待しています。

川村氏:使い始めてまだ半年ですが、かなり使い込んでいます。しかしながら、Zoho CRMはまだまだ奥が深い。利用していない機能や他の業務システムとの連携など、新たに挑戦したいと考えています。

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