CRMの導入で失敗するよくあるパターン

HowよりもWhyから始めよう

こんにちは。中小企業診断士の岡安です。

中小企業診断士という資格を使ってお仕事をしていますと、中堅・中小企業の経営者やマーケティング担当者からいろいろな相談を受けることになります。

とにかく困ってますといった丸投げに近いご相談から、一緒に考えて欲しいといったパートナーとしてみていただけるパターンなど、さまざまなパターンがあります。

ところが、ことクラウドサービスやITの活用という話になると、結構な割合で

「このクラウドサービスを導入したいんですけど、どうやったらうまく導入できますか?」

といったご相談をいただきます。

そもそも具体的に何かしたいことがなければ相談すらできませんので、そのようなご相談はある意味普通のお話しなのですが、お話を詳しく聞くと、課題の解決方法の選び方にやや問題があるケースも散見されます。

今回は、CRMの導入で失敗するよくあるパターンの一つをお話ししてみたいと思います。

ツールの導入ありきで失敗

失敗事例の典型的なパターンが、ツールの導入ありきで、課題の解決までの道筋を深く考えていない場合です。

具体的には、「ビジネス上の課題(例えば売上20%UPなど)を解決するために、CRMを導入したい」というようなお話をいただくのですが、なぜCRMの導入が売上を上げることにつながるのか、そこに関する考察がまるっと抜け落ちていることが実際によくあるのです。

一般企業はCRMやITの専門家ではありませんので、CRMでどんなことができるのかがわからないのは当たり前です。

しかし、そんなよくわからないものを

「クラウドってすぐに使えるようになるんですよね。具体的にはなにをするかは決まってないけど、導入すればどうにかなるでしょ?」

とばかりの勢いでツールを導入することだけが決まってしまっていることば実際にあるのです。

これでは成功するはずがありません。

ITツールを使った経営課題解決に向けた考え方

では、クラウドサービスやITツールを導入することで、課題を解決する場合には、どのように課題解決を考えるべきなのでしょうか。

本来は、経営課題からその解決方向を導くには、ITなどの細かいレベルを考えるのは最後の段階であり、簡単に書くとこんなイメージで上から順に検討していく必要があります。

・経営課題の設定:売上を20%アップさせたい
・経営課題の解決を妨げている要因の分析:過去の売上と営業活動の相関関係を見る限り、単純に顧客への訪問数が足りていないことが売上未達の大きな原因であることがなんとなく見えている
・制約条件の確認:営業員の増員などは利益を圧迫するため当面は行えない
・課題解決の方向性検討
方向性1:営業担当者の余計な事務作業などを極力省き、その浮いた時間を使って売上に貢献する営業活動に注力することで、訪問数を伸ばし売上を20%増加させる。
方向性2:訪問数だけが原因ではない可能性もあるため、売上と営業活動の関係性をデータをもとに判断できる基盤を作る。
・課題解決の具体的な対策の検討
対策1:営業担当者の活動の中で不要なものがあればなくす、営業事務担当者が実施するなどの整理を行う
対策2:CRMツールを導入し、可能な限り業務を自動化し、効率的な営業活動を実現する
対策3:CRMツールを導入し、営業活動を簡単にどこからでも担当者が入力できる仕組みを作り、入力されたデータをもとに営業活動の改善を実施できるようにする。
・対策の実現性を検証

実際にはたくさん検討すべき事項はもっとたくさんあります(例えば何のために売上を20%アップさせたいのかとか)が、ざっくり書くと上記のような感じです。

そもそもの課題解決を妨げる要因が、「単純な訪問数が足りていないこと」を上げていますが、さらに深く考えていくと、営業担当者が確度の低い商談に振り回されてしまっているのが本当の要因かもしれません。

Howの前にWhyを考える

考えすぎてもきりがないので、経営に大きなマイナスの影響を出さない範囲で、ある程度見切り発車も必要です。

しかし、このあたりの過程を完全にすっ飛ばしてしまうと、そもそもクラウドサービスの導入でホントに課題の解決ができるのか、どのクラウドサービスを導入すればよいのか、サービスのどの機能を活用すべきなのか、どの程度のライセンス価格なら十分に投資対効果が得られるのか、などの判断はできないはずです。

えいやっで決めてしまうというのも一つの方法ですが、クラウドサービスの導入を検討するときには、前段に戻って、How(どのように導入すべきか、どうやって使うのか)の前に、Why(なぜその課題を解決する必要があるのか、なぜ今のままでは課題が解決できないのか、その課題解決の方向性で課題が解決できるのはなぜなのか)など、一度立ち止まって考えてみるべきです。

ツールの導入ありきで失敗するのは中小企業だけではない

今までお話しした内容は、CRMに限った話ではなく、全般的なシステムやクラウドサービスの導入で失敗するパターンとしては割と「あるある」です。

さらにいうと、この失敗パターンは、中堅・中小企業などに限った話ではありません。

10年以上前に、CRMが日本で流行し始めた時期に、まだツールの導入に数千万円かかったときにも、規模は違えど、似たような話をよく見かけました。

名のある大企業がITベンダーの口車にのって鳴り物入りでCRMやSFAを億単位の投資をして導入してみたものの、まともに使われずに終わってしまうといったことが日常的に起こっていたのです。

これはなにもITベンダーだけが悪いわけではなく、なんとなく流行りものだから、他社がやっているからうちもやってみよう、という深く考えずにプロジェクトを進めてしまったユーザー企業側にも原因はあります。

流行りにのって効果がありそうだからとりあえず導入してみる。
それは導入までの手間やコストが大きなものでなければ、トライする価値のあることかもしれません。

あくまでトライアルで一部の人に開放して、その有用性を探るといった形であればうまくいくでしょう。

しかし、本格的な導入を考えているのではあれば、まずは本当にその解決方法でよいのかをいったん立ち止まって考えてみることをオススメします。

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