みなさん、「litl」という新しいネットブックをご存知でしょうか?11月に発売されたばかりの新しい製品で、デザインが非常にユニークです。専用OSを利用しており、画面操作も他のPCとは変わっています。
デザインに関しては、画面を回転させることができるのが大きな特徴の1つです(「イーゼルモード」と呼ばれています)。イーゼルモードでは、従来のノートPCのようにベタッと置いてスペースを占有するのではなく、いろんな場所に気軽に置くことができます。
単にインターネットを閲覧するだけでなく、机などに置いてデジタルフォトフレームとして利用したり、温度計を兼ねたインテリアとして置いておくこともできます。また、目覚まし時計としても利用できます。このように、生活の中に溶け込むような利用形態が提案されています。
さてさて、なぜ「litl」を紹介したかと言いますと、Zohoなどのクラウド上のサービスとかなり相性が良いからです。というよりも、クラウド上の
サービスを前提として「litl」が作られていると言った方がより正確でしょう。いつでもどこからでもアクセス、Webを通じた情報共有といったコンセプトが取り入れられています。
このうち、Zohoとも関係がある1点目に特に注目して「litl」のコンセプトについて取り上げてみたいと思います。
■コンセプトは「web at home」:おウチでWebをもっと使いやすく、もっと楽しく
インターフェースの説明において、“We built litl to enjoy the web at home.”(家でWebを楽しむためにlitlを作りました)と述べられているように、litlのコンセプトは家でWebを楽しむことです。「litl」が「Webbook」と呼ばれていることからも、Webとの親和性をできるだけ高めることを目的としていることが分かります。
デ
ザインや機能もそのためのものになっています。Webの便利さを最大限に引き出せるようにハードウェア、OS、OS上で動くソフトウェアのレベルまで再設
計されています。(“The litl OS was designed from scratch to be for and of the
web.“)
操作面では下記のような特徴があります。
- アプリケーションはWebアプリが基本
- ファイル/フォルダ/アイコンは使わない(代わりに検索する)
- バグフィックスやアップデートなどは全自動
このうち、特に1点目について詳しくみてみたいと思います。
■Webアプリ=チャンネル:テレビとノートPCの結婚
「litl」では大企業で使うような複雑なアプリケーションはインストールされていません。もちろん、いくつかのアプリケーションは入っていますが、Webアプリの利用がメインです。ブラウザは組み込まれており、いちいち起動する必要はありません。
立
ち上げると、いきなり無線LANを選択する画面が出てきてすぐにインターネットに接続します。その後の操作は、カードカタログと呼ばれる画面と、個々の
サービスの画面とを行ったり来たりしながら行います。各カードで表わされているサービスは、リモコンを使って切り替えることができます(昔ながらのダイヤル式です ;))。
テレビのチャンネルを切り替えるように、mixiやGREE、ウェザーニュースやスポーツナビなど、Webサイトを自由に切り替えられます(料理好きの方にはクックパッドが良いかもしれませんね )。Webページだけでなく、RSSフィードをチャンネルとして追加したり(デモビデオでは
NYTimesのフィードが追加されています)、YouTubeの動画を追加したりといったことができます。
チャンネルにZohoの各サービスを追加すると、メニューとして利用できます。デモビデオでは、一瞬Zoho Sheetが映っています
なお、litlをテレビにつなぐことも簡単にできるようになっています。デジタルテレビの大画面を利用して写真やWebページを閲覧できます。
■Webを通じて情報共有
Web
アプリがベースですから、Webを通じた情報共有はお手のものです。例えば、写真を誰かと共有したい場合、チャンネルを通じて簡単にFlickrにアップ
ロードできるようになっています。わざわざメールに添付して送ったり、USBメモリやCDに入れて渡す必要はありません。
このあたりの発想は、Zohoの共有と似ています。Zohoを使えば、文書、表計算シート、プレゼンテーションなどをメールで添付して送る必要はなくなります。共有機能を使えば、アクセス権が共有相手に与えられ、Web上の同じドキュメントを閲覧/編集できます。
また、複数の「litl」をリンクさせることができます。チャンネルを追加すると、他の「litl」にも追加され、同じよう環境を別の場所でも使うことがで
きます。例えば、自分の仕事場、家、実家などに置けば、それぞれの場所で同じチャンネルを使うといったことができます。もちろん、データはインターネット
上にあるのでそこから呼び出すだけです。
要するに、ユーザが利用する情報をローカルの個々のパソコンに依存させるのではなく、インターネットを介してどこからでも利用できるようにしています。この点もZohoのコンセプトと似ています。
■litlの哲学
2点目、3点目に関しては、litlの哲学から、いくつかのおもしろいコンセプトを紹介したいと思います。
ファイル、ウィンドウにサヨナラ
「File management. Gone. Windows management. Gone」
ハードドライブと話したいんじゃなくて、友だちと話したいんだ!
「I don’t want to interact with my hard drive; I want to interact with my friends.」
→見たいもの、使いたいもの、本来やりたいことに集中できる
コンピュータのお世話をするのではなく、コンピュータを使おう
「Furthermore,
we want our customers to use the computer, not take care of it.」
→ウィルス対策、アップデートが自動で行われるため、コンピュータの管理作業から解放される
当社のUSメンバーがさっそく購入していたので見てきましたが、非常に使いやすそうでした。$699とネットブックにしてはちょっと高めですが、コンセプト
はおもしろいなと思います。上記で紹介した内容のほかにも興味深いポイントがたくさんありますので、イラストをぜひ見てみてください(このイラストのカードはlitlの箱に封入されてい
ます)。
また、興味のある方はぜひ「litl」公式サイト(http://litl.com/)をのぞいてみてください!英語ですが、写真やイラストを眺めているだけでもイメージが伝わってきておもしろいです。また、英語が読める方は、上で紹介したlitlの哲学もおススメです。
litlを購入されたら、ぜひZohoをチャンネルに追加してください!全Zohoサービスを追加してZohoで埋め尽くしてくだされば言うことはありません