シームレスな連携でビジネスを加速させる
チーフエバンジェリストが示すZohoの世界観
Zoholics Japan 2018の基調講演では、「The Big Picture Zoho が描く壮大なCloudの世界」と題してZohoのチーフエバンジェリストであるRaju Vegesna(ラジュ)が登壇しました。
世界各国の「Zoholics」で登壇するラジュは、今回が初来日。ラジュは、Zohoが提供するサービスの全体像を示し、Zohoが目指す世界観を示しました。以下にその内容を紹介します。
顧客が「あなた達は狂っている!」という Zohoが40以上のアプリを提供する理由
Zohoは本社がインドにあり、6,000人以上の従業員を抱えるグローバル企業です。そしてZohoが提供するサービスは世界180ヵ国以上で使われ、4,000万以上のユーザーを獲得しています。
Zohoの特徴は、40以上の高品質なアプリが、1ユーザーあたり月額4,200円で思う存分利用できる点です。
Zohoのサービス開発への熱意は、ある顧客から「You guys are crazy(あなた達は狂っている!)」と言われたほど。しかし、この狂気の背景には理由があります。
その理由を知るために、ビジネスの典型例を見ながら、Zohoのアプリがどのように役に立つのかを見ていきます。
会社を登録したあとはドメインを取り、Web サイトを作る必要がありますが、ここから私たちのサービスを活用できます。
Webサイトを作るにはSitesというアプリ、サイトの分析にはPageSense、サイトの訪問者へのアプローチにはSalesIQが使えます。また、認知が広まればSocialを利用することでSNSでの投稿や分析をサポートし、何千人もの顧客にセールのお知らせなどを送るときはCampaignsを、セミナーを開催したり資料を配布したりするならMeetingやBackstageが使えます。
ここまでで、私たちの多くのサービスが使えるということがお分かりいただけると思います。
つまり、Zohoの狂気の背景には、ただやみくもにアプリを作っているわけではなく、「ビジネスのさまざまなシーンに合わせたアプリを提供する」という明確な目的があるのです。
シームレスな連携を実現するパッケージ「Zoho One」
Zohoのアプリは、最初に紹介したWebマーケティングのアプリだけではありません。もちろん営業やサポートデスク、財務、人事など、それぞれのビジネスの流れに合わせたツールも提供しています。
そして、その豊富なアプリが持つ可能性を最大限に引き出すサービスがZoho Oneです。
Zoho Oneは、40以上のアプリがシームレスに統合されたパッケージで、Zohoが提供するオペレーティングシステム上に、ビジネスを始めるために必要なアプリが一つになっています。
ソフトウェアツールキットのようなもので、1ユーザーあたり月額4,200円という固定価格を支払うことで、好きなアプリを使用できます。今後もサービス開発に力を入れていきますが、追加の費用は発生せず価格を上げる予定もありません。Zohoの価値はどんどん高まっています。
Zoho Oneの力を引き出す3つのサービス
Zohoはオペレーティングシステム上に載せる3つのサービスで構築されています。
1つ目は「Zia(ジア)」です。ZiaはZoho Oneに搭載されたAIシステムで、アプリを横断してデータを抽出できます。
例えば、Ziaに「Show my unpaid invoices.(私の契約の内、未払いの請求書を見せてください)」と送れば、未払いの請求情報が表示されます。
また「Does any of my deals have open ticket?(私の商談の内、何件がオープンになっていますか?)」と質問すると、Ziaから「オープンになっているものはありません」という回答が来ます。
Ziaを活用することで、Zohoのあらゆるアプリを横断的に分析し、シームレスなやり取りを実現できるのです。
2つ目は、データを解析しグラフを自動生成する「ダッシュボード」です。
ダッシュボードは、部門ごとにデータを解析してグラフを作成するだけでなく、データをカスタマイズすることで、必要な会社の情報が一目でわかるようになっています。
3つ目は「Zia Search(ジア・サーチ)」です。横断的な検索というのは、機能としてはシンプルですが、実装するには大変難しいものです。
例えば、Zia Searchで誰かを検索したとき、その人の情報が出るだけでなくその人が会社にいるかどうか、最後に行ったチャットはいつかなど、Zohoアプリに記録されたあらゆるデータが表示されます。
Zia Searchの特徴は「アクションに落とし込める情報を取ってくる」というようなものです。
新しいアプリを開発し続けるZoho その一例を紹介
Zohoは改良をし続けています。現在開発中のアプリ「Zoho Store」を紹介します。
「Zoho Store」は、Webサイト制作に近い感覚でECサイトを作ることができるアプリです。Zohoサービスと連携することで、店舗での商品管理や在庫管理も可能にします。
今後もアプリが追加される予定で、「Zohoの価値は高まっている」と感じます。
プライバシーに対するZohoとしての姿勢
最後に、昨今で重要な問題になっているプライバシーに関する説明をします。
Zohoのデータは暗号化されており、顧客データを販売したこともありません。私たちのビジネスは、「しっかりとアプリを作って提供する」という、とてもシンプルなもので、プライバシーに対してはグローバルで対応していきます。
質疑応答
ラジュの基調講演が終わったあとは質疑応答の時間となり、2つの興味深い質問がありました。
Q. 農業などの会計が複雑な業界に対しては、Zohoとして対応しますか、それとも他のアプリと連携するのですか?
A. 現在はすぐに対応できませんが、ローカルで対応していきたいです。農業系のビジネスでは、外部のアプリとZohoのCRMを組み合わせて使用しているケースや、Zohoでカスタマイズされたコンテンツを使用しているケースもあります。
カスタマイズによって、どの業界でも対応できると考えます。
Q. Zohoは今後、機械学習をしていくアプリになるのですか?
A. その通りです。Zohoユーザーの行動やデータを学び、100以上のシグナルを検出して通知をしてくれます。例えば、1つの契約に必要なコール数や見込み客数を学び、成果が落ちる恐れがあると時にそれを知らせてくれて、アクションを提案します。また、開発中のZoho Storeでも導入する予定で、注文があったとき最適な発送業者を選んでくれる機能を実装する予定です。
「狂っている」と言われるほど力を入れているZohoサービス開発には、あらゆる業界のビジネスを加速させるという明確な目的があります。
ラジュは、40以上ものアプリを提供することで実現する壮大な世界観を提示しました。
基調講演ビデオとスライド
<Zoholics Japan 2018 レポート 目次>
▼午前の部 共通トラック:
- 【基調講演】シームレスな連携でビジネスを加速させる チーフエバンジェリストが示すZohoの世界観
- 顧客情報は会社の資産 Zoho Oneで目指す業務改革
- Zoho Oneユーザー対談 導入の決め手と構築中・運用開始後のポイント
- Zohoをもっと使いたくなる ユーザーコミュニティー「ZOHO CREW」の紹介
▼午後の部 トラック1:
▼午後の部 トラック2: